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<JR不採用問題>「一日も早くけじめを」…最年長79歳(毎日新聞)

 87年の国鉄分割・民営化に反対した国労組合員ら1047人がJRに採用されず旧国鉄清算事業団(現鉄道建設・運輸施設整備支援機構)からも解雇された問題で、与党3党と公明党がまとめた政治解決案が近く前原誠司国土交通相に提出される見通しだ。不採用から丸23年で見えてきたゴール。所属労組を理由とする採用差別があったと訴えてきた組合員らは「国は23年間の苦しみに応えてほしい」と声を振り絞る。【松谷譲二】

 国労に所属した佐久間忠夫さん(79)=東京大田区=は1047人の最年長。1945年、14歳で国鉄に入社し、31歳で電車運転士になった。「人員整理」のため大量解雇をする国鉄当局を疑問視し、労働運動にも身を投じた。しかし、80年代、巨額負債を抱える国鉄に対し世論の批判が集中。分割・民営化の波にのみこまれ、86年7月に神奈川県内にあった国鉄の「人材活用センター」に送られた。

 3年間、まともな仕事は与えられず、炎天下、敷地内で草刈りを命じられる日々。上司の許可なくトイレに行くことも許されない。再就職あっせんは1度しかなかったのに、事業団側が国会向けに説明した資料には「36回」とあった。佐久間さんは「人間扱いされず、単なる『首切りセンター』だった。不安を抱いた仲間が何人も自殺した」と悔しがる。

 事業団解雇の時点で59歳。佐久間さんはめんたいこ販売で、妻ゆきこさん(78)がシルバー人材センターの派遣家計を支えた。その一方で、02年に旧国鉄に解雇撤回などを求める提訴に加わった。05年に東京地裁は「採用差別があった」と認めて賠償を命じ、2審も勝訴。だが、機構は最高裁に上告し、かたくなな姿勢を崩さない。

 亡くなった仲間は60人に上る。出口の見えない闘いの末、動き始めたかにみえる政治決着に望みを託す。「一日も早くけじめをつけたい。そこから、やっと新たな一歩を踏み出せるんだ」と訴える。

 ◇政治解決案の概要

 与党3党と公明党の実務担当者は昨年末から複数回の会合を持ち、素案を検討。3月上旬に民主党役員会などで了承された4党案は「23年間を考えれば、人道問題として早急に解決すべきだ」とした上で、(1)解決金1人当たり平均1650万円(2)解雇によって消滅した期間の年金受給相当分を「生活補償金」として平均1300万円−−などを盛り込んだ。

 対象は約910世帯で、財源は機構の特例業務勘定の剰余金を活用。雇用対策として、政府がJR北海道などに約200人の雇用を求める内容もある。4党案について、組合員側は受け入れる姿勢だが、前原国土交通相は閣議後会見で「報道ベースで見ると、あのまま持ってこられても、『はい、分かりました』と言える内容ではないという印象をもっている」などと述べ、現時点では難色を示している。

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